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訪問看護における心不全患者への持続カテコラミン投与支援に関する研究が掲載されました

ななーる訪問看護デベロップメントセンターは、このたび「持続カテコラミン投与を受ける心不全療養者の在宅支援における訪問看護ステーションの役割」に関する研究論文が、『The Kobe Journal of Medical Sciences』に掲載されたことをお知らせします。

本研究は、在宅で持続カテコラミン投与を受ける心不全療養者のケアに焦点を当て、訪問看護の役割と課題を明らかにすることを目的としています。

研究概要

論文タイトル: Role of a Home-visit Nursing Agency in Supporting Patients with Heart Failure on Continuous Catecholamine Infusion: A Case Series Study

掲載誌: The Kobe Journal of Medical Sciences, Vol. 70, No. 3, pp. E93-E99, 2024

研究の目的: 本研究では、在宅で持続カテコラミン投与を受ける心不全療養者の臨床的転帰と、訪問看護による支援の実態を検討しました。特に、訪問看護の頻度、緊急対応の実態、患者の最終的な転帰に着目しました。

研究の主な結果:

  • 対象者は8名(中央値68.5歳、75%が男性)で、主な診断は拡張型心筋症でした。
  • 持続カテコラミン投与の在宅期間の中央値は58日でした。
  • 平均週8.4回の訪問看護が行われ、45回の緊急訪問が記録されました。緊急訪問の理由でもっとも多かったのが輸液機器のトラブル、次いで苦痛症状でした。
  • 6名が自宅で最期を迎え、1名は致死性不整脈で入院、1名はカテコラミン投与を離脱しました。

結論: 本研究は、持続カテコラミン投与を必要とする心不全療養者において、訪問看護が重要な役割を果たすことを示しました。在宅療養を支えるためには、早期介入、多職種連携、そして在宅医療のための標準化されたケアプロトコルの開発が求められます。

論文の詳細:
DOI: https://doi.org/10.24546/0100491788
掲載ページ: https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100491788

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