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訪問看護の頻度と入院・施設入所の関連を明らかにする研究が掲載されました

ななーる訪問看護デベロップメントセンターは、このたび、「訪問看護記録を用いた後方視的調査による訪問看護開始2週間の訪問回数と入院・施設入所の発生の関連の検証」に関する研究論文が、『日本在宅医療連合学会誌』に掲載されたことをお知らせします。

本研究は、訪問看護導入初期の訪問頻度が、その後の入院や施設入所に与える影響を分析し、在宅療養継続のための適切な訪問看護の在り方を探ることを目的としています。

 

研究概要

 

論文タイトル:
訪問看護記録を用いた後方視的調査による訪問看護開始2週間の訪問回数と入院・施設入所の発生の関連の検証

掲載誌:
日本在宅医療連合学会誌, Vol.6, No.1, 10-18, 2025.

研究の目的:
本研究では、訪問看護開始後2週間の訪問回数と、その後の入院・施設入所との関連を調査しました。訪問看護の頻度が高い利用者ほど、在宅療養の継続率が高いのかを検証しました。

研究の主な結果:

  • 2016年4月~2023年12月に訪問看護を利用した65歳以上の高齢者468名を対象とした。
  • その後の経過は、在宅看取り163名(34.8%)、入院152名(32.5%)、改善84名(17.9%)、施設入所69名(14.7%)であった。
  • 訪問看護開始2週間の訪問回数の中央値は4回(四分位範囲:2-10回)。
  • ロジスティック回帰分析の結果、訪問看護開始2週間の訪問回数が1回増えるごとに、入院・施設入所のオッズ比(95%信頼区間)は0.93(0.89-0.97)となり、訪問回数が多いほど在宅療養が継続される傾向が示唆された。

結論:
本研究は、訪問看護導入初期の頻回な訪問が、在宅療養の継続を支える要因となる可能性を示しました。特に、初期の集中的な支援が、入院や施設入所のリスクを低減し、利用者の自宅での療養を支える重要な役割を果たしていることが分かりました。

論文の詳細:
掲載ページ: https://www.jahcm.org/assets/images/academic_journal/25_vol.6-1.pdf
DOI: https://doi.org/10.34458/jahcm.6.1_10

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