ななーる訪問看護デベロップメントセンターの研究員 石川武雅 による研究論文が、国際学術誌『Frontiers in Public Health』に掲載されました
論文タイトル
Intelligent flexibility in an aging society: lessons from Japan’s home-visit nursing system
掲載誌
Frontiers in Public Health
論文概要
本論文は、日本の訪問看護制度を題材に、超高齢社会における制度設計とガバナンスのあり方を論じたオピニオン論文です。
日本の訪問看護は、医療保険と介護保険という二つの保険制度を基盤とし、特別訪問看護指示書や別表7・8などの制度的仕組みを重ねながら発展してきました。本論文では、この多層的な制度構造を「柔軟性」と「複雑性」という観点から整理しています。
そのうえで、「intelligent flexibility(知的柔軟性)」という概念を提示し、個々の療養者ニーズと制度運営をデータに基づいて接続する枠組みの必要性を提起しました。
主な論点
- 医療保険と介護保険の併存がもたらす制度的柔軟性
- 制度間の区分や給付構造による運用上の複雑性
- 現場の裁量に依存する構造から、データに基づく統治への転換の必要性
本論文の意義
本論文は、日本の訪問看護制度を単なる制度紹介にとどめず、「柔軟性と統治の均衡」という視点から再構成した点に特徴があります。
超高齢社会における地域包括ケア体制の設計原理を、国際的な文脈の中で再検討する理論的視座を提示するものです。


